• 小林大賀 Taiga Kobayashi

人形をつくること Puppet making

自分が作るイメージにたびたび「人形」というものが登場するのは何故なのだろうか。思えば初めて書いた詩は「人形劇」という題だったし、舞台作品を特別評価してくれた恩師の望月先生も人形制作家だった。映画用にと書いた脚本をアーティストの深澤崇史さんに読んでもらった時も「これは人形劇だな。うん、人形劇だよこれは」と言われたり。ポートフォリオを作り直しながら、それは一体どういう意味なんだろうと考えていた。そんな折、人形作家四谷シモンの古い写真集「四谷シモン 人形愛」(美術出版社)を手にとったら、澁澤龍彦との対談のなかに気になるやりとりがあった。


澁澤 シモンの人形哲学のなかの根本問題というのは、やっぱり神があるかないかということで、あんなふうになっているんじゃないか。それが問題だと思うよ。

シモン 具体的にいうとキリストの磔刑像があるわけですけど、あれがぼくの理想像じゃないかとこのごろ思うんです。〜中略〜

澁澤 シモンはやっぱり問題は神だと思うよ。いま人形をつくるなんていうのは、神にこだわっている証拠だと思う。つまり神をつくっている。

シモン 人形をつくっているということがですか。

澁澤 うん、この世界を動かしているものがなにかあると。じゃないかしら。


人形=ものつくる人の神学になり得るのだろうか?


I wonder why I have been making images of Puppet time to time. Tittle of my first poem was “Puppet theatre”. Professor Mochizuki who evaluated my theater work was a doll creator. When I wrote a screen play and showed it to artist Takafumi Fukasawa, he said “This might be a puppet theatre”. Recently I remembered those facts, then I found an old puppet photograph book of Simon Yotsuya (Most famous puppet creator in Japan). In the book there is a dialogue with Simon and Tatsuhiko Shibusawa who was a French literature and is known as translator of Sade.


Shibusawa(Shi) : Simon, I think fundamental subject of your puppet philosophy is probably whether there is God or not. That’s the matter, I think.

Simon(Sim): As a concrete example there is Crucifixion statue of Jesus. Recently I think if that is my best ideal image.

――

Shi: I think Simon’s subject is God. You are making puppets today. It seems a proof that you are particular about God. That is to say you are making God.

Sim: Is making puppet so?

Shi: Yes, it is. It means someone who control the world, no?


Can puppet be theology of creator?


2016年、申年の年賀状



2007年の舞台「聖ペテロ神輿さまご奉納のための祭典」より。



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