• 小林大賀 Taiga Kobayashi

「マサカヤ亭奇譚」原画展 1

最終更新: 2019年6月2日

先日、恩師の望月先生の小説「マサカヤ亭奇譚」の原画展を訪れた。先生は惜しくも4年前に他界されてしまって会うことが出来ないが、先生は作家だから残したものに直に触れることができるし、そうしているとその時々の言葉が改めて鮮明になったりもする。


「小説の原画展」と言葉にすると一瞬「?」が出るが、先生のマサカヤ亭を読むと、その絵を「挿絵」と言うにはそれはあまりにもこの物語の一部として結晶化されていて、これはやはり小説の原画展としか言いようが無い気がする。小説の作者自身の手によるイメージとして不可欠。それはミヒャエル・エンデの「モモ」やサン・テグジュベリの「星の王子様」と同じ分子結合なのだと思う。


奥様が教えてくれた「この本には一箇所隠れたところに金箔が入っていて、オブジェのような本を作りたいっていう本人のイメージだったの」という言葉から、あらためて表紙の裏までひらいてみた。これは、美しい本。オブジェの中に世界が閉じ込めてあるのだ、と納得した。そいういえばエンデも「文庫本というものを発明したやつは地獄へ行け」というようなことを言っていた。「マサカヤ亭」がもっと広く読まれたら良いなとは思うけれど、これは決して文庫になってはいけない。後年先生はCGで「目で食べる料理」というシリーズも作られていたけど、マサカヤ亭は「体で読む小説」と言えるかもしれない。


望月先生が書かれていたブログ「6月の柔らかな庭で」はこちら


Last week I visited my professor Sumitto Mochiduki’s drawing exhibition of his novel “Masakayatei Kitan”. Now I can not see him because he pasted away four years ago, but I can touch his works and remember his words clearly through it.

It’s something strange to say “drawing exhibition of his novel”, but if you read this book you may realize what I say. These drawings are not just only “illustration” of the novel. Those are more like one part of world of the novel. Therefore I have to say “drawing exhibition of his novel”. Those integral images by novelist himself let me remember Michael End’s “Momo” and Saint-Exupery’s “Le Petit Prince”. I feel them kind of same molecular bond.

His wife told me “There is hidden gold print on the book. It’s a wish to make a book as Obje” then I opened cover. This is a book beautiful. The world inside a obje. Once Michael Ende said “People who invented Paperback must go to the Hell”. I surely think that it’s good this piece is read widely. But at the same time I think this should not be paperback. Sumitto also made CG series “Dishes which eaten with eye”. I think this novel might be called “Story which read with body”









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